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事件から見えてくる日本の真実


1995年「住専問題」の目覚めの悪い憂鬱

2020年9月21日 21:39公開 / 2021年5月14日 05:00更新

1995年「住専問題」の目覚めの悪い憂鬱

1995年、住専が破たん。


農協マネーをバックにつけ、資金面では問題ないかに見えた住専だったが、いかんせん銀行系の不動産バブルが完全に崩壊し、不動産投機自体が全体的に冷え込み、また顧客の多くが住専以外のバブル崩壊に巻き込まれて討ち死にしてしまったため、とうとう破綻した。新規の客が激減し、なじみの客が不良債権化したのだ。これでは、いかに農協マネーという裏技使いの住専でも、ギブアップするほかはなかった。

 

ところが政府は、破綻した住専に対し、6850億円もの公的資金を注入することを決定した。これには誰もが度肝を抜かれた。

公的資金を注入するということは、住専だけ特別視して救済するということだ。その裏には、農協の存在があった。自民党は最大級の選挙母体であった農協の票を失いたくなかったのだ。

金融システムの信頼回復のために仕方ないとか言っているけど、それは、表向きに過ぎないのである。住専なんてそもそもノンバンクだ。

 

しかも住専は、コテコテの“大蔵省の天下り機関”だったのだ。そもそも住専には、最初から怪しいことが多すぎた。

まず住専は、多くの銀行の共同出資でつくられたのだ。なんでライバル行同士で共同出資をする必要があったのか。


それから社長に誰が就任したのか。住専は細かく見ると8つの会社の総称だが、そのうち7社が破綻した。

そして、その破綻した住専7社中、6社の社長が元大蔵官僚だったという。

 

まだある。不自然な規制だ。大蔵省(当時)は不動産融資総量規制を各銀行に通達したが、なぜか住専と農協系金融機関だけは対象外だった。

さらには、大蔵省と農水省の密約がある。大蔵省は農水省との間で、住専に農協マネーを投じる代わりに、破綻時には農協マネーを優先的に救済する覚書を交わしている。

これは1996年の「住専国会」で取り上げられ、大問題になったのだ。

 

皆さんは、もう忘れているかもしれない。住専は大蔵官僚にキッチリ私物化されていたのである。住専は、大蔵官僚が自らの利権のために支配下の銀行たちに「つくらせ」、その上で農水省や農協、自民党をも巻き込んだ“利権の温床”にしていた。それが実体であった。


でも政府は、そんな国民の声をよそに、住専への公的資金注入を決定した。

これを機に、日本では金融機関を公的資金で救済するという悪しき慣習が生まれたのだ。

この政治ショーの陰で何人が自ら死を選んだのか。


2020年9月21日 21:39公開/ 2021年5月14日 05:00更新

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とよっチ

バラを愛する個人投資家