固定幅のトレーリングストップよりも柔軟性のあるATRトレーリングストップ
前回の記事では移動平均線クロスEAに固定幅のトレーリングストップを追加しました。利益目標を設けずにトレンドが続く限り利益を伸ばしていくことが狙いだったのですが、残念ながら狙い通りの結果とはなりませんでした。
やはり固定幅のトレーリングストップの場合だと相場のボラティリティの変化に対応できず、トレーリングストップで追従することが難しいようです。
そこで今回はあの有名なATRトレーリングストップを使用したいと思います。
ATRとはアベレージトゥルーレンジ(Average true range)の略でウェルズ・ワイルダー(J.Welles Wilder)さんが考案したテクニカル指標です。
ATRは相場のボラティリティーを数値で把握することの出来るありがたいテクニカルなので、レンジフィルターとして使用している人も多いのではないかと思います。
しかし、今回はATRをエントリー要件としてではなく、トレーリングストップに使用してしまおうというわけなのです。
原理的には非常に簡単でATRの数値が大きい(変動幅が大きい)時にはトレーリングストップをルーズにして大きな変動に巻き込まれないように追尾していき、逆にATRの数値が小さい時はタイトなトレーリングストップで無駄のない追尾をしていこうということです。
これなら相場の変動率が変化したとしても柔軟に対応していけるというわけです。
EAつくーるでATRトレーリングストップを追加するのは超簡単
ちょっと難しそうに見えるATRトレーリングストップですが、EAつくーるで設定すれば簡単に出来てしまいます。
オプション機能タブを選択し、「トレーリングストップ「」にチェック、さらに「ATR」にもチェックを入れ「期間」と「倍率」を指定するだけです。
今回は「期間」に20、「倍率」に6を入力しましたが、これは期間20のATRの6倍離れたところにトレーリングストップを置くということを意味しています。
この数値は後からEAのプロパティで変更できるのでなんでもいいので適当に入れておきましょう(笑)
バックテストをしてみた
ATRトレーリングストップを得て輝きを放ち始めた?EAをさっそくバックテストしてみることにしました。

お、意外といいんじゃないでしょうか。
ドローダウンは大きめなのでこれをそのまま使うことは無理ですが、私には何の変哲のない移動平均線のロジックに夢と希望を与えてくれる救世主がやってきたように見えます(笑)
移動平均線クロスのロジックに強引に付け加えただけでそれっぽく見せてくれるATRトレーリングストップを活用しない手はありません。エントリーロジックを工夫することでさらなる高みを目指すことが出来るのではないでしょうか。
ちょっと興奮して大袈裟になってしまいました(笑)
ポテンシャルの高さは分かったのでATRトレーリングストップと相性の良いロジックをなんとか見つけ出したいものですね。
2019年8月21日 08:05公開/ 2019年12月16日 10:15更新